【親子とは?責任とは?】映画「誰も知らない」 感想【実話】
あらすじ 1988年に発生した巣鴨子供置き去り事件を題材として、是枝裕和監督が15年の構想の末、満を持して映像化した作品である。母の失踪後、過酷な状況の中幼い弟妹の面倒を見る長男の姿を通じて家族や周辺の社会のあり方を聴衆に問いかけた。 |
是枝裕和監督(wiki)の映画「そして父になる」見て感動したので、是枝作品を他に観たくなり手に取りました。
ん〜考えさせられましたね。
自分なりに感じたことをまとめました。
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けい子の子どもの教育
・厳しく叱るわけでもない。
・子供の勉強も適度に見る。
・冗談を交えて笑いながら子どもと遊んでやる
上記3点から、「ほどほどに良い親をやってるな」と感じます。
しかし、決定的に違うのが子供に表面上でしか接していないということ。
子供に対して「嫌われないように、その場だけ楽しければいい」と考えていますね。
それじゃあいけないんです。
だから、付き合う男もけい子と似たような「その場だけ、表面上、適当」なのになってしまうんです。
子供や恋人の人生について真剣に考えていたら
・いけない事は叱り
・相手に真剣に向き合い
・良い事は心から褒める
これらが出来るはずです。
けい子の周りにはそういう人がいない。
いない寂しさがまた、けい子を表面上にさせます。
その寂しさの犠牲となった子供達4人。
父親が違っても長男の明(柳楽優弥)は弟妹を大事に想い一緒に暮らそうと努力します。
努力が空を切る、そんなむなしい物語です。
この映画の本質・鍵は「母・けい子の責任」これが全てです。
これに始まり、これに終わっています。
「責任を放棄すると残された人はこうなります」という情景を
「明がお金も愛情もないけどなんとか頑張る過程」
として映しているのです。
・嘘のお年玉に喜び、ピアノを買う資金のため引き出しに大事にしまう長女 京子(北浦愛)
・「けい子がいつか帰ってくる」と子供ゆえの楽観で無邪気に遊ぶ次男 茂(木村飛影)
・けい子の表面上の優しさを信じて帰りを待つ末っ子 ゆき(清水萌々子)。
・そして3人の弟妹たちを守り一緒に暮らすため家事や家計をやりくりする長男 明。
けい子の嘘を見抜き、ずっと帰ってこないことを知っているのに・・・。
けい子が親としての責任を全うしさえすれば、4人の子供達の想いは報われたのに・・・。
責任
仕事・生活・家族・社会・娯楽
あらゆる事に伴うものです。
ニュースを見ると、食品偽造・政治献金・原発事故・ストーカー事件・強盗事件 などなど心を痛めるものばかりです。
いろいろな形の責任放棄の渦に巻き込まれた人・物・事。
なんともむなしく、悲しく、寂しくなりますね。
「誰も知らない」は責任を果たす事の重要性に気付かせてくれる貴重な映画です。
誰も知らない(2004年/日本) : 映画の感想を綴るブログ
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