【米林監督が宮崎映画を進化させた】思い出のマーニー 感想
▼予告動画
よかった!!
「脱・宮﨑駿監督ができているか?」に注目して観てたんですが、宮﨑駿監督を「乗り越えた」という表現ではなく「進化させた」がしっくりきますね。
どこが進化したポイントか羅列しますね。
↓↓↓↓以下 微ネタバレ注意↓↓↓↓
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米林監督が宮崎映画を進化させた5つのポイント
① 今までのジブリ映画にいない主人公
主人公の杏奈はトラウマの影響で
・他者の親切がうざったい
・他者をバカにして動物に例える
・引っ込み思案
・親を恨む
・普通に生きられない
・そんな自分が大嫌い
という今までのジブリ映画にない心の闇を抱える現代っ子です。
そんな杏奈がどう成長するかがこの作品のテーマです。
② ヒーロー役が女の子
うだうだモヤモヤしているアンナが出会う女の子がタイトルにもあるマーニーです。
マーニーの特徴は
・陽気
・おとなしいヒロインを導き守る
・いろんなことを知ってる
・勇気がある
というパズーやハク、トンボ的なヒーローの役割をしています。
女の子がヒーロー役ってのも今までのジブリ映画にはないですね。
③ キャラデザが変わった
杏奈の親戚のおじさんのキャラデザが今までになかったです。
タレ目でまるで別のアニメのキャラクターに感じます。
これは米林監督の画風がよく現れてます。
とはいえ、基本宮崎監督風なのはちゃんと残ってますけどね。
④ 最後謎がスルスルっと全て解けて鑑賞後に超絶スッキリ
宮崎監督映画は難しすぎてよくわからないんですが、そこがまた良いとも言えます。
千と千尋の神隠しでお父さんお母さんを当てた理由、崖の上のポニョの終わり方、などなど頭にはてな?が浮かんでました。いろいろ考えさせられてましたね。
しかし、米林監督のマーニーは最後いろんな謎がスッキリ解けて、後味爽やかで終わります。
謎の理由を知って感動して泣けるのがまたミソなんですよね。
⑤ 全体的にしっとり落ち着いている
これはストーリー上そうなのかもしれませんが、宮崎監督のように奇想天外なシーンやキャラがなくて、話の展開が自然にゆっくりつながっていってしっとりと観ることが出来ました。
しっとり始まり、クライマックスでハラハラして、しっとり終わる。
観終わると涙が流れている。
そんな映画です。
まとめ
いろいろと新しいジブリ映画を楽しめて安心出来ました。
米林監督が宮崎監督の後継者で文句ありません。
宮崎吾朗監督みたいな単なるモノマネではなく、ちゃんと進化させてるのがスゴイですね。
杏奈が土手をバタバタ転がるシーン
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カリオストロの城でのルパンが転げ落ちる)
マーニーが杏奈と草かげに隠れるシーン
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千と千尋でハクが千尋と隠れる
杏奈が荷物いっぱいの車にガタゴトと揺られるシーン
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トトロの冒頭の引っ越し
マーニーにボーイフレンドがいて少し嫉妬する杏奈
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トンボが友だちと遊ぶのに嫉妬するキキ
などなど今までの宮崎アニメと同じだなって思ったんですが、あえてそうしてるんでしょうね。
伝統芸を引き継いでるんです。
それを踏襲しつつ、米林監督らしさを加え進化させたのが「思い出のマーニー」です。
ストーリーも秀逸で泣けて考えさせられて、最後温かい気持ちになれるホント素敵な作品です。
すごく良かったのでブルーレイ発売したら絶対買って家族と一緒に観ます。
子供が見ても楽しめて、「親のありがたさ」を感じ考えるいいきっかけになります。
夏休みはまだ始まったばかり、親子で、カップルで、友達と是非とも観てみて下さい☆