オードリー若林正恭のキューバ旅行記「表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬」感想
面白かった。
最後感動して泣いてしまった。
若林さんがキューバを旅したエッセイです。
資本主義の日本に辟易してしまい、社会主義で競争のないキューバを見たくて旅を思い立ったそうです。
実際のキューバはやはり金じゃない所に重きを置き、ガイドしてくれた人々はお礼のお金を受け取りませんでした。
とはいえ貧困社会でもあるので勝手に道案内や交通誘導をしてチップを得る人々もいます。
しかしそこには日本のような白々しさや嫌らしさが感じられず陽気な明るさがあります。
そんなキューバに感銘を受ける若林さん。
芸能界での屈辱、失敗、挫折をエメラルドブルーの海が洗い流す。
牛乳石鹸では流せない塵と埃をキューバの人々が笑い吹き飛ばす。
資本主義と社会主義。
汗水垂れ流しヘドロに身を置き成功を勝ち取るか。
マイペースで働きそれなりの生活をおくるか。。
生まれ落ちた場所で決まり選択肢はない。
皆と同じを強要され落ちこぼれれば蔑まれる。
みすぼらしい服を着れば相手にされず。
金をかけなければ喜ばれない。
白々しさ、嫌らしさが人口過密的に充満する。
しがみつき蹴落とさなければ家がなくなる。
窮屈な日本から離れキューバで答えを見た若林さん。
人とは?
国とは?
体制とは?
正直に言えば良い服、家、道具を持ちたい
正直に言えば皆から大事にされたい。
だからこそ人を大事にする。
理屈じゃない感情に重きを置く。
それが理想だが現実は違う。
理想と現実の折り合いをつけながら生き続ける。
結局、日本に戻り向いてないMC業に努力し、視聴率に追われ自問自答がまた始まる。
あがってんのか?
さがってんのか?
天を仰ぎ亡き父親に問う。
背中を押され日本の地を這う。
- 作者: 若林正恭
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